千葉大学西千葉キャンパスにおいて、2024年夏に竣工した工学・情報学系講義棟と、改修された工学部10号棟(建築学コース棟)が、2025年度グッドデザイン賞を受賞しましたので、プレスリリースをご紹介いたします。
プレスリリース情報掲載
プレスリリース元URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001052.000015177.html
千葉大学西千葉キャンパスに2024年夏に竣工した、工学・情報学系講義棟と工学部10号棟(建築学コース棟)改修が、2025年度グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。2つの校舎は、キャンパスマスタープラン2022のもと、1960年代に建設された工学系エリア再開発の第一弾に位置づく新築と改修で、キャンパスコモン(共有空間)を形成するモデルとなるものです。
工学・情報学系講義棟
概要
キャンパスコモンの連鎖による居場所と環境形成:学生の多様な居場所を創出する新たなキャンパスコモンとなる講義棟である。既存校舎と連携した立体的回遊動線や半外部空間により、学びと活動が交差する「学びのアッセンブリー」を形成。内外を横断する人々の活動と、雨や光、風などの自然環境の双方が循環する持続可能な学びの場を目指した。
デザインのポイント
- 工学系エリア再開発の第一弾、学科統合における新講義棟
- アカデミックモール(弥生通り)に面するキャンパスコモンの形成
- 内外の居場所による「学びのアッセンブリー」と、雨樋ルーバー等の「厚みのある外皮」による環境形成
審査委員の評価コメント
戦後の大学再編で生まれた千葉大学西千葉キャンパス内は、画一的な鉄筋コンクリート造の建築がドミノのように並ぶ空間で、廊下に個室が並ぶ、閉鎖的なプランだった。現代ではむしろ近代建築らしい景観が貴重であり、豊かなケヤキの森と共に千葉大学らしさを醸し出していた。 新しい千葉大学工学・情報学系講義棟は、その景観を引き継ぎつつ、学生を迎えるウェルカム感に溢れた建築だ。動線と建築の内外が交わり、ケヤキの緑が目に飛び込んでくる。丁寧な環境対応設計は、建築を学ぶ学生にとっても生きた教材になる。学生たちはこの建物から新しい刺激を受けることだろう。
受賞ギャラリーURL
https://www.g-mark.org/gallery/winners/28858

工学部10号棟(建築学コース棟)改修
概要
築60年の建築学科の校舎改修。工学系エリアの再開発の改修モデルとして、キャンパスマスタープランと連動し、モールに面する共創空間を生み出した。多様な素材や部材による「校舎の教材化」を全体に取り入れ、学び合いを可能にする建築スタジオを低層階に再編し、学生、教員、学外者の協働が企画・設計・使用後まで継続することを目指した。
デザインのポイント
- 築60年の工学系エリア再開発の改修モデル
- 建築学コースの校舎の教材化と、多様な素材や参画の実践
- キャンパスに開かれた、学び合いを可能にするスタジオ共創空間
審査委員の評価コメント
素材や寸法、壁の中の構造など、建築学科で過ごす時間の中で、日常的に見えたり触れたりする場所自体が、学びになる「校舎の教材化」という考え方がすばらしい。建築は机上の学びだけでなく、具体的な1/1の寸法や地域の材料などがあって初めて実現する。大学教育で一番抜け落ちてしまう部分を校舎に担わせ、改修のモデルとしているところを評価した。
受賞ギャラリーURL
https://www.g-mark.org/gallery/winners/31764




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