知っていましたか?千葉大学の西千葉キャンパスに隣接する「歴史遺産」
第二次世界大戦開戦直後から戦後間もない時期まで、千葉市稲毛区には、東京帝国大学(現東大)の第二工学部が置かれていました。
場所は、千葉大学西千葉キャンパスに隣接した東京大学生産技術研究所千葉実験所内にあり、第二次世界大戦が激化する中で、軍事産業を支える工学者や技術者を養成するために、解説されました。
「東京大学第二工学部史」などの資料では、航空機や兵器の研究のほか、軍委嘱の研究も行われていたと推察されていますが、詳しくは明らかになっていないそうです。
戦後、第二工学部が廃止されてからは、この建物は事務棟などとして利用されてきました。
この「千葉の東大旧第二工学部」が解体されることとになりました。
千葉大教授ら「解体に反対」
千葉大の一部の教員たちは「大学と戦争の関わりを知り、戦争と地域社会の記憶を語り継ぐために必要な歴史遺産だ」と、この建物の保存を求めています。
教員らは「第二工学部の校舎の存在は地域でもほとんど知られてこなかった」と強調。「『軍都千葉』としての地域史、学問と戦争を巡る近代史を学ぶ上で貴重。研究教育機関として、学術研究や地域学習に活用するための文化財として守るべきだ」と訴える。
現存する二棟は旧応用化学棟と旧共通第三教室棟。千葉大教員によると、梁(はり)に丸太をそのまま使用し、くぎなどを極力使わずに建てられた点など、戦時中の資材統制の影響が見られる。応用化学棟の一室に残る巨大な三角形の「壁柱」も珍しいという。
もしすべて取り壊したとしても、校舎は3D測量などを行い、デジタルアーカイブに残す計画だそうです。戦後76年が経ち、戦争の記憶がどんどん薄れていく中で、戦争の歴史を物語る建物を本当に取り壊してしまっていいのか、議論が残るところです。
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